不動産コラム【第26回】民法改正に伴う保証契約について

宅都不動産投資ご登録会員の皆様
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不動産に関するコラムを発信させていただきます。

第26回目は「民法改正に伴う保証契約について」です。
来年である2020年4月1日に民法の改正が行われます。

その内、賃貸借契約に係わる改正について記述させて頂きます。

まず、賃貸借契約に伴う保証契約のうち個人が保証人になる場合
「個人根保証契約」と言うものに該当し、極度額を
設定しなければならないこととなりました。

聞きなれない単語が出て来ましたが、一つずつ解説しますと
「根保証契約」と言うものは、
一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約のことを言います。
賃貸借契約に係る保証契約では、借主の家賃滞納や器物損壊、原状回復費用など多岐にわたる債務を保証することとなりますが、法改正以前では根保証契約に該当していませんでした。
ですが、今回の法改正により「根保証契約」に該当するようになりました。
そして、個人がこの「根保証契約」をする際「個人根保証契約」となることにより
「極度額」という、
保証人が弁済する必要がある額の上限を設定しなければ、保証契約が無効となります。

この「極度額」の設定の義務化により、
保証人が想定以上の金額を支払う事がなくなりますが、
賃貸人側からすると、弁済を受けられる額が減る可能性が出て来ます。

その可能性を減らすために極度額を高く設定しますと、
今度は、保証人の方が契約締結を拒む可能性が出てきて、
契約に至らない場合が出て来ます。

保証会社を利用すれば、「個人根保証契約」にならない為、
「極度額」の設定は必要なくなりますが、
保証会社の審査基準に満たないと契約締結ができない為、
保証会社を利用することに拘ると、募集に難儀することになります。

そのため今後、賃貸募集において「極度額」の値段設定が課題になってきます。

この「極度額」の値段設定は、明確な基準がないですが、
国土交通省が出している「極度額に関する参考資料」があります。
これには、
家賃債務保証業者が借主に代わって、
貸主に支払った滞納家賃等のうち、
借主に求償しても回収することが
できなかった損害額を調査したものです。

下記の様に、賃料の価格帯ごとにグラフ化したものが記載されており、

賃料4~8万円の物件では、70万円までの損害額が
全体の91.0%あります。
その為、賃料が4~8万円の物件では、「極度額」を70万円と設定すると
おおよそ90%くらいはカバーできることになります。

また、
情報提供の義務化が追加され、
主たる債務者たる借主が、期限の到来までは債務の履行をしなくても良いという
「期限の利益」を有する場合において、その利益を喪失した場合
債権者たる貸主は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二か月以内に、
その旨を通知しなければならなくなりました。
その為、この通知をしなければ、期限の利益の喪失から
通知までの遅延損害金の請求ができなくなります。

その他、保証人から賃借人の支払いの残額などの情報開示を求められた場合
賃貸人は遅滞なく情報の開示をしなければならなくなりました。
この規定は、保証人が個人の場合だけではなく、法人の場合にも適用されます。

また、事業用の賃貸借契約の場合
主債務者たる賃借人は事業の為に負担する債務を主債務とする保証について
個人に委託するときは、その個人に対し
・財産及び収支の状況
・主債務意外に負担している債務の有無など
・主債務の担保として他に提供しようとする場合は
その情報を提供しなければならなくなりました。
もし、賃借人がこれらの情報を保証人に提供しないなど
不備があったことを賃貸人が知ることになった場合
保証人は保証契約を解除することができます。

その為、今後事業用の賃貸借契約を締結する場合
この規定を知っておかないと保証契約を解除
される場合がございますので、
気を付けなければなりません。

また、この保証の意思表示は公正証書で行う必要があります。

まとめ
●個人根保証契約の場合、極度額の設定が必要
●債務者に期限の利益がある場合、利益の喪失した時に保証人に通知しなければならない
●保証人からの要求により支払残額などの情報提供が義務化
●事業用賃貸借契約の場合、賃借人は個人の保証人に対し財産状況などの情報提供
が義務化と公正証書での作成の義務化

法改正まで1年をきりました。
今のうちに管理会社と打ち合わせをし
法改正に対応することが望ましいかと思われます。

宅都不動産投資では、単なる収益物件の紹介にとどまらず、
投資方法もご紹介させていただき、お客様のお役に立てればと考えております。
宅都不動産投資 スタッフ一同

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